今月の「ひと」 |
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初めて実測による日本地図を作成した江戸時代の商人。
完成した日本地図の精度の高さに加え、56歳から日本測量の旅を開始するなど、 生涯学習時代、高齢化社会に入った今、一線を退いてから活躍した人物としても 注目を集めている。
1745年上総国(現・千葉県)生まれ。日本地図の作成は1800年(寛政12年) に蝦夷地(現北海道)から始め、作成途中の1818年(文政元年)に73歳で江戸 で亡くなるが、日本地図(伊能図)の作成は弟子などに引き継がれ、3年後の 1821年(文政4年)に完成する。
苦労の末完成した伊能図は、日本に測量に来たイギリス海軍が新たな測量を中止 したほど精度が高かった。また、日本政府が公式参加をした1873年ウィーン万博 にも出品されるほど美しいものだった。
忠敬の測量開始から200年が経ち、現在はGPSを利用して自分の位置情報を知ることが できるカーナビや携帯端末が普及し、航空写真により世界中の地図が見られる Googleアースが出現するなど、地図の世界も時代と共に大きく様変わりしている。
「伊能忠敬.jp」は伊能忠敬記念館のサイト。(2006年7月21日掲載)