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毎月、人名辞典に掲載している中から一人を選んでコラム形式で紹介します。

川端康成.jp(文学・歴史)

日本人初、ノーベル文学賞受賞者

1899年大阪府大阪市生まれ、小説家。2歳の頃に父、翌年には母を亡くし、 祖父祖母と一緒に三島郡豊川村(現在の茨木市)に移った。 しかし、祖母祖父までもが相次いで亡くなり、叔父にひきとられることと なった。こうして、川端康成は幼い頃から多くの近親者をなくしていた。 この孤独な生い立ちは彼の多くの作品に影響を与えたに違いない。

中学に入学後、文学に熱中しはじめ、雑誌などに作品を投稿するようになった。 19歳の頃、伊豆へ旅行をした時に、旅芸人一行と道連れになる。この実体験が、 後年の「伊豆の踊子」の元となった。

日本の伝統や美を描いた作品が評価され、1968年に日本人で初めてノーベル 文学賞を受賞した。日本人の受賞者は、2007年現在でも川端康成と 大江健三郎氏の二人だけである。今年で、川端康成は没35年を迎える。

去る4月12日に、第33回川端康成文学賞の選考会があった。川端康成の ノーベル文学賞賞金を基金とする財団法人川端康成記念会主催の賞であり、 優れた短編小説に贈られる。今年は小池昌代氏の作品「タタド」が選ばれ、 授賞式は6月22日に行われる。

川端康成.jp」は、大阪府茨木市の川端康成氏のページ。プロフィールと 略年譜を掲載。茨木市が開館した川端康成文学館では、氏の著書、 遺品や原稿のほか、ゆかりの品約400点を展示。最寄り駅は、茨木駅。 (2007年4月27日掲載)

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